今回、うちにある絵本のなかでも、子どもに結構インパクトを与える本を紹介します。
子ども一人でお留守番させるという現代にはちょっと微妙なお話かもしれませんが、子どもにしっかりと考えさせるという点で、我が家では外せない本のひとつ。最近の本ではこんなにしっかりと不安を描いた本はないなあ…と思うのですが…。こういった本を読むことも子どもには必要と思って、うちでは読んでいます。
はじめてのおるすばんとは
「はじめてのおるすばん」は、しみずみちを作・山本まつ子絵による絵本。岩崎書店より1972年に出版されました。子どものお留守番での不安を丁寧に描いた作品で、くもんの推薦図書など様々な媒体でオススメされています。
あらすじは?
ehさんによる写真ACからの写真
家で遊んでいた今年3つのみほちゃんに、ままが言いました。「みほちゃんにできるかしら。ひとりでおるすばん」。うん、できるよ、というみほちゃんに、ままはすぐに帰るからと言って出かけていきました。
しばらくするとぴんぽーんとチャイムが鳴りました。「こづつみですよーっ」と郵便屋さん。「こ、づ、つみ、いりましぇん」と、家の中からままがいないことを告げると、「しょうがないなあ。じゃあね、かあちゃんがきたら、これ、わたしてね」と言って、郵便屋さんは紙切れをドアについているポストに入れていきました。
またぴんぽーんと鳴ります。「いりましぇん!!」とみほちゃん。すると、「さくら新聞です。新聞代お願いします」と、ポストのフタが開いて、目玉が二つ、覗き込みました。(あっ、おばけ…)みほちゃんは思いました。「ねえ、ままいないの?」と、目玉のおばけは言います。みほちゃんは震えました。「しょうがないなあ。出直すか」といって、ポストのフタが閉まり、ぱったぺったと足音が小さくなっていきました。目から涙があふれそうです。
ぴんぽーん。どきっとしましたが、続いてぴんぽーんぴんぽーん、と3回鳴りました。「あっままだ!」玄関にいくと、ままがカギをあけて箱を片手にニコニコ顔で立っていました。
箱のお土産はみほちゃんの大好きなプリンでした、というお話。
対象年齢は?
読み聞かせなら3歳からとされています。
わが子に読んでみたところ、3歳児は黙って聞いて、何となく理解していたようですが、しっかりと自分の身として考えれていたのは5歳児でした。なので4~5歳からがよく理解するかな?と思います。
感想は?

2回目の新聞屋さんのとき、最初から「いりません!」って言ったの面白いね。

ポストの目がすっごく怖い。どうして他の人の家なのにのぞくんだろうね?

目が怖い

怖かった
といった具合。
この絵本は話の中盤、ポストから目がのぞいてくるという場面がとても印象に残ります。色使いも薄暗いなか、目だけ描かれていて、大人もヒヤッとします。なかなかの恐怖体験なのではないでしょうか?ちなみに私は…

3歳児一人残して出かけるとか今じゃ結構ありえないけど…(苦笑)。こんな場合はどうする?というシミュレーションには効果的かも。しかし、目隠のないポストのフタとか、色々が昭和を感じる雰囲気だ…
と思いました。木彫りの熊とか新聞の集金とか昭和だなあ…と思うのですが、このハラハラ感は今の絵本にないなあ、と思います。怖いけどはずせない我が家の本のひとつです。
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