最近、6歳の我が子が保育園で読み聞かせがあったらしく、「ねずみばあさん」の話題でもちきりです。ねずみばあさんとは、絵本「おしいれのぼうけん」に出てくる魔女です。
そういえば、私も幼い頃この本を読んで、非常に怖かった思いがあります。私はその後敬遠しちゃったんですが、我が子は何度も読んですごく好きな本になった模様。今回はその「おしいれのぼうけん」について紹介します。
おしいれのぼうけんとは?
「おしいれのぼうけん」とは、古田足日(ふるたたるひ)・田畑精一(たばたせいいち)による日本の絵本。1974年に童心社から出版されて以降、その壮大な冒険が子どもたちの心をつかみ、今に至るまで読み継がれています。「くもんの推薦図書」をはじめ、各方面でオススメとして挙げられる定番の本です。
あらすじは?
怖いものが二つあるさくら保育園。
ひとつ目は、騒いだりして注意しても聞かない子が入れられてしまうおしいれです。入れられた子は泣き、周りのみんなもおしいれが怖くなるのです。もうひとつのねずみばあさんは、先生のやる人形劇に出てくる、猫をもにらむねずみばあさんです。
ある日昼寝の時間に、あきらが赤いミニカーを見つけ遊び始めると、さとしが「ぼくに貸して」と取りました。ともこやかずおを踏みながら二人がふとんの上で取り合いをすると、みずの先生が怒ってさとしをおしいれの上の段に、あきらを下の段に入れて戸を締めてしまいました。
二人は戸を蹴って暴れましたが、それでもおしいれに閉じ込められていると、「ぼく、もうだめだよ」というあきら。さとしは「あーくん。さっきはごめんね」と、さっきのミニカーを返しました。あきらはお返しにポケットから出したミニ蒸気機関車を貸しました。二人が押入れの上下段でそれぞれミニカーで遊んでいましたが、段々とおしいれの壁の模様が怖くなってきました。
突然、「そこにいるのはだれだ?わたしはねずみばあさんだぞ」という声がすると、壁のしみがゆっくりあきらのほうを向きました。ねずみばあさんとねずみたちに囲まれたあきらに、「あーくん。手だ、手をつなごう」という声がし、上から降りてきた手にあきらが夢中でつかまるとぐいっと引っ張られ、体が宙に浮きました。
あきらの足が着いたのは、暗い森のトンネルの入口でした。爪に青い火を灯したねずみたちとねずみばあさんに追われ、二人はトンネルの中を走りました。トンネルを抜けると、そこは車一台いない不気味な高速道路。「ふっふっふっ。わしはここでまっているぞ」という声にビルを見上げると、ねずみばあさんが座っていました。引き返して走ると、道の両側の水銀灯が青い火のねずみたちであることに気づきました。
汗いっぱいになって高速道路から降りる道を駆け降りると、二人は下水道のなかに落ちました。臭い水の中二人は手をつないだまま流されもがいていると、まるたんぼうを見つけ、二人はつかまりました。疲れが出て眠くなってきたとき、「とうとう参ったようだな。そら、いまだぞ!ねずみたち!」という声がして、水の中ねずみに囲まれ岸の上に押し上げられました。
ねずみばあさんの前に連れていかれた二人。「お前たちが謝るなら食べもしないし、この地下の世界からもだしてやる」というねずみばあさんに、さとしは謝りそうになりましたが、「ぼくたち、悪くないもん。ごめんなさいなんて言うもんか!」とあきらが叫びました。「それならお前たちをわしのねずみにしてやろう」と言われ、ねずみたちが二人に飛び掛かろうとしたとき、汽笛とともに、蒸気機関車と赤いミニカーが出てきました。さとしとあきらはそれぞれに飛び乗ると、その煙とライトで、ねずみばあさんとねずみは、「たすけてくれ!」と逃げ出してしまいました。
二人は気が付くと、押入れの中で蒸気機関車とミニカーを持ったままうとうとしていました。でも、夢でない証拠に二人は汗ぐっしょり。みずの先生ときむら先生は「ごめんね。おしいれの外で考えてもらった方が良かったな」と言い、次の日から先生は子どもをおしいれに入れなくなりました。しかし、二人から話を聞いた子どもたちは自分からおしいれに入るようになりました。
というお話。
【脇役】みずのせんせい、ねずみばあさん
【チョイ役】ともこ、かずお、きむらせんせい
対象年齢は?
童心社のホームページには3歳から、とあります。
実際、表現はカンタンではあり、我が子の3歳児も大筋は理解していました。しかし、80ページにも及び、文章もかなり多めです。読み聞かせるほうも、一度に読んでしまうのは根気がいるかもしれません。毎夜ちょっとずつ読み進める、といった具合に区切るのも手だと思います。
また、絵も基本白黒の鉛筆画で描かれており、紙面的には一部を除いて、白黒で地味ではあります。3歳児は半ばでちょっと遊び気味になりました。
個人的な見解では5歳頃からがおススメかな…とも思います。
感想は?
自分がトラウマ級の恐怖感をこの本に抱いたので、恐る恐るわが子に読んで見ましたら…。
おしいれにそんな冒険するような広がりがあるなんて不思議。夢なのかな?
怖かった。それにしてもなんで壁のしみが顔になるの?
「まるたんぼう」って知ってる?僕こないだ先生に教えてもらったよ!
ねずみばあさん、怖いねえ。
てな具合。
呼んでいる間中、皆、神妙な顔をして聞いていました。
私もちょうど年長くらいに一度読んでもらって、すごく怖くてそれきりだったんですが、うちの6歳児は保育園で何度も読んでもらい、さらに劇などもして、話を十分に噛みしめていたので、色々と克服できているみたいです(笑)。
それにしても、我が8歳児の意見「どうしてしみが顔になるの?」にビックリしました。いや~、そんな大層な家に住んでいるわけではないんですが、そういえばそんな模様が顔に見えるような部分、うちにないかも…。昔は押入れとか天袋のなかとか天井とか、木目や節がむき出しの素材も多かったと思うんですが、最近はクローゼットの中も綺麗に壁紙貼ってますしね。「汚れとかしみが人の顔に見えたりすることない?」と私が聴くと、「ああ、あるね」と我が子も納得しました。私は子どもの頃、ばあちゃんちの天井の木目の一部がすごく怖くて、そっちは見ないようにしてたり、そういう”怖さ”みたいな体験はあったんですけど、そうか…その体験、我が子はないのか…。と思って、しみじみしちゃいました。
時代とともにとらえかたがちょっと変わってくるのかな?なんて思ったところに、この我が子がもうひとつ爆弾発言。
あと、なんで先生たちは子どもをおしいれに入れたりするんだろう?
………えええええええっ!???そこ????
もう、愕然ですよ。
そこからわかんない!????
ホント、私も全然そんな聖人君主的な子育てはしてないんですよ。マジで怒鳴り散らすことはあるし、「外出る?」とかも言ってますし。
確かに私も、
この「おしいれに閉じ込める」的なしつけ、ちょっと今の世には合わないところもあるよな~。
と思いつつ、読んでたんですけど。
でも、この「罰」的なしつけの意味すらわかんない時代になっているのか…?
いや、まあ、それは悪いことではないのかもしれない。
変な体罰とかは根絶せねばならないと思う…んですけど…。ちょっと自分の感覚と違ってきているのを感じ、動揺しています…。
とまあ、子どもは色々な感想を抱くようです…!色々前提はありますが、内容的にはすごい冒険スペクタクルなので、一度読んでみられることをお勧めします!
グッズがある?
おしいれのぼうけんのすごろくがあるそうです。さとしとあきらのハラハラドキドキが体験できますね!
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