こちらのページでは、絵本作家LEEさんと、文を担当した絵本「ヨクネルとひな」「みてみておかあさん」についてを紹介します。
絵本作家LEE氏のプロフィール!性別は?
LEEさんは、1964年東京生まれの男性です。ヘアメイクアーティストの渡辺サブロオ氏のアシスタントを経て、ヘアメイクとして雑誌・広告・映画などでフリーランスとして活躍しているそうです。「ヨクネルとひな」が、絵本デビュー作となります。顔写真を拝見したいと思い…ネットで探しましたが出ませんでした。しかし雑誌MOE2016年2月号には、顔写真の掲載があります!無精ヒゲで黒ぶち眼鏡、パーマのかかった黒髪の男性でした。
ご本人曰く、よく怪我や病気の野良猫が寄ってきたり、出会ったりすることが多いそうです。ご自身も2匹の猫を飼い、近所の猫も含め、様々な猫との出会いの中から書かれたのが「ヨクネルとひな」です。このとき、絵本のテキストを書くのは初めてだったそうですが、書いているうちに話が進み、そこから今まで出会った人や猫、思いを肉付けして、話ができたといいます。LEE氏は言います。「子どもの、なんでもない日常の時間を見つめることが、大切なまなざしをつくると思っています」と。そんな子どもの視点に立ったのがLEEさんの作品たちです。
酒井駒子氏の子猫と女の子の出会い「ヨクネルとひな」
ドアをあけるとぼそぼそでやせっぽちのこねこがないていました。「きもちわるいよ」ひなちゃんは、ねこを保護したおかあさんに言いますが、だっこしたりするうちに徐々にねこのことが気になってきます。そのうちちょっと目を離したすきに子猫がいなくなって…というストーリー。
酒井駒子さんによる子猫とひなちゃんという女の子の絵が素晴らしく、子どもの目線の空気感が漂っています。病気の子猫を見て、最初は「きもちわるい、しんじゃいそう」なんて言っちゃうところが、意外と子どもあるあるだなあと思います。大変!お手当てしなきゃ!っていう展開も、あるとは思いますが、それは大人の願望であって、子どもって、見た目とかで警戒して突き放しちゃうところも結構あるんですよね。でもおかあさんにぬぐってもらって、子猫の大きな青い目があらわれると、「ちょっとさわってもいい?」と興味が出てきます。しかし、目を離したすきに子猫がいなくなり、自分が迷子になったときを思い出して、不安が増して…。と、そのあたりの描写と絵が素敵で、大人が読んでも引き込まれてしまいました。
今作がLEEさんの絵本デビュー作です。挿絵から自分の絵本まで、多くの絵本を手掛けてきた酒井駒子さんが絵の担当です。酒井さんは最初にテキストを読んだとき、「このお話なら絵が描けそうだと思いお引き受けした」といいます。言葉使いで好きなところがあったとも言っています。酒井さんも猫を飼っており、子猫のふわふわとした毛の感じを出せるよう、印刷も工夫してあるそうです。
「ヨクネルとひな」
- 作:LEE
- 絵:酒井駒子
- 出版社:ブロンズ新社
- 発行:2015年
【脇役】おかあさん
参考:MORE 2016年2月号 P80-83「注目絵本 ヨクネルとひな」
https://heroofpicturebook.com/217signing/
「みてみておかあさん」お姉ちゃんの寂しさを描いた話
「もぉ~。わたしをみてったらぁ。」赤ちゃんが泣き、ミルクがこぼれてしまって、どうしていいかわからなくなったみなちゃんは真っ暗なクローゼットにかくれました。さみしいとしょんぼりするみなちゃんですがおにんぎょうたちはおままごとがはじまるのを待っていて…。というストーリー。
おねえちゃんになったのに、おかあさんはあかちゃんの世話ばかりでさみしい、という心を素直につづっています。ページの中ほどには、数ページに及んで暗闇の中に一人います。絵本にしては結構長いとも思いましたが、みなちゃんの孤独感を丁寧に表しているのだと思いました。周りは真っ黒ですが、みやにしあきこさんの柔らかいタッチの絵で、雰囲気は緩和されています。そしてままごとを一緒にする人形たちもファンシーになりすぎず、みなちゃんのこころに寄り添います。そのうちあかちゃんに見立てた人形をあやすうち、妹をかわいく思う心を思い出していきます。
「みてみておかあさん」
- 作:LEE
- 絵:みやこしあきこ
- 出版社:白泉社
- 発行:2017年
【脇役】おかあさん、赤ちゃん
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