こちらのページでは、貴乃花による絵本「光のテーブル」について解説します。
「光のテーブルーとっても大切なカエルのおはなし」とは
貴乃花光司さんが相撲界引退ののちの次の仕事に、絵本作家を選んだということが2019年3月20日、日本テレビ系列「ザ・発言X〜勝負の1日〜SP」で発表されました。絵本作家に専念ということではなく、数あるうちの一つという位置づけのようです。今回テレビで発表された「光のテーブル とっても大切なカエルのおはなし」は、文章を貴乃花、絵をパラパラ漫画でおなじみの鉄拳さん、監修を「あらしのよるに」で知られるきむらゆういちさんが担当されています。
どうして絵本作家?
子どもに影響を与えられる仕事につきたいというのが希望だった貴乃花さん。2018年末の番組の瀬戸内寂聴さんとの対談で、「本を書きなさい。みんな読みたいですよ」と言われたため、絵本制作の構想を立ち上げ、2019年の年明けに具体的に動き出し、約2カ月半で完成となったそう。
貴乃花さんの過去作品は?
実は、貴乃花は横綱引退した年の2003年に「小さなバッタのおとこのこ」という絵本を既に出版しています。
貴乃花が30年間の人生で感じたこと、考えたことを描いた作品、と紹介されています。バッタの光(ヒカル)がおぼれそうな友達・司(ツカサ)を助けるために嵐に飛び込んでいくという話のようです。こちらも家族愛がテーマとのことで、気になりますね。
「小さなバッタのおとこのこ」
- 作:貴乃花光司
- 絵:そやなおき
- 出版社:世界文化社
- 発行:2003年
「光のテーブル」発売日・出版社は?
「光のテーブル」については鉄拳さん、きむらゆういちさんと錚々たるメンバーが手がけた絵本ではありますが、出版に先行して、内容をテレビで公開するという異例な発表でした。youtubeにも上げられています。
実を言うと、絵本としての出版社も出版日も、まだ発表されてはないのです。通販も未定です。きむらゆういちさんという絵本の大御所がついているのに、どうしてこんな状態なのか?著作権はどうなっているのか?とても気になりますね。
鉄拳さんときむらゆういちさんがどうしてこの絵本に携わったのか?等、この絵本の裏側についてはまだまだ情報がないので、発表され次第、追記いたします。
「光のテーブル」あらすじは?
カエルのカルルは、家族4人仲良し。飛ぶことが得意なカルルは、おかあさんが「遠くに行かないで」と止めるのも聞かず隣国のコンクールに出るため家を出ました。隣国には、飛ぶことが得意なカエルが集まっています。カルルのジャンプを見たみんなは、「そんなんじゃコンクールに出るのも無理」と笑いました。ショックを受けたカルルは一人で練習を重ね、数年後、ついにコンクールで優勝します。それからはみんなの人気者。しかしなにひとつ足りないものはないはずなのに、どこかむなしい日々を過ごします。夜空を見上げたカルルは「あの星空の下で家族4人で食べたぴょんこなべが食べたい。決して立派な料理じゃないけれどみんなで食べたあの味が忘れられない」と、家族に会いたくなり帰路につきます。しかし、知っている景色がなく、道がわからなくなりました。カルルは仲良し家族の楽しい歌を歌い、ぴょんぴょん飛び跳ねて、元いた池を探しました。一番高く飛んだ時、満天の星の中で気づきます。「そうだ、ぼくがかえりたいのは、この星の光のテーブルだ。みんなでごはんをたべた、この光のテーブルだ!」着地に失敗して水の中へ落ちたカルル。そこへ「大丈夫かい」と寄ってきた顔は、家族の顔でした。「カルル、まっていたよ」。その日の料理はピョンコなべ。「もういちどしあわせなかぞくのはじまりだね」。カルルは嬉しそうに笑いました…。
絵本の内容と貴乃花と重なる部分は?
「光のテーブル」は自伝ともいうべきストーリーになっています。内容のなかでいくつか気になる点を上げました。
- 家族構成(父・母・兄・自分の4人)=貴乃花と同じ
- 「ぴょんこなべ」が好き=どう考えても「ちゃんこなべ」ですね
- 父の言葉「おとこは一度決めたら最後まであきらめるな」=おそらくそう言われてきたのでしょう
- 今までで一番若い優勝者になった=貴乃花と同じ
- 「お母さんが抱きしめてくれたこと、お兄ちゃんがいつもそばで心配してくれたこと、お父さんと風呂で色んな話をしたこと」=具体的すぎるエピソードです。ご自身の記憶?
- 「なのにぼくは、みんなを捨てて、飛び出してしまったんだ」=貴乃花の本心?
- どこへ行っても一番おいしいものを出してくれる、のにむなしい=貴乃花の経験?
- 「立派な料理じゃないけどみんなで食べた味が忘れられない」
- 帰り道がわからない=貴乃花の現在?
- 「光のテーブル」=光が当たっているのは勿論、「光司のテーブル」とも読めます。テーブルは食卓、家族が囲むイメージ?光司の食卓?
「光のテーブル」は、疎遠な母や兄へのメッセージ?
光のテーブルの最後は、帰ってきたカルルを、家族が無条件で「待ってたよ」と受け入れ、笑顔で終わるという話になっています。これは貴乃花さんの願望でしょう。現在疎遠になっている母の憲子さんと兄のまさるさんは、実際、どのように受け止めているのでしょうか?貴乃花さんとご家族が、良くも悪くも再会する日も近いことでしょう。絵本を世に出したことによって、受ける影響は多大であると思います。この絵本がこれからどうなるか、注視し続けていきます。
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