我が家には、普段は「のりもの図鑑」ばかり読みたがる4歳男児がいます。
お話の絵本を読んでも、なかなか反応が薄く、話わかっているんだろうか…?なんて思ってました。しかしある時読んだ絵本に、話の途中でビックリして息をのんだりして反応が良かった作品がありました。
それがこの「11ぴきのねこ」です。
読後も彼は、しみじみと感想を述べ、そういう風に反応したのはこのお話が初めてだったように思います。今回はこの絵本について紹介します。
11ぴきのねことは
「11ぴきのねこ」とは、馬場のぼるが1967年に出版した絵本です。とらねこ大将と、10ぴきのねこたちが繰り広げるお話で、第15回サンケイ児童出版文化賞を受賞しています。
「11ぴきのねこ」
- 作・絵:馬場のぼる
- 出版社:こぐま社
- 発行:1967年
シリーズは何冊ある?
11ぴきのねこ以降、6冊にわたってシリーズ絵本が世に出され、今作を入れると、全7作のシリーズがあります。
- 11ぴきのねこ (1967年)
- 11ぴきのねことあほうどり (1972年)
- 11ぴきのねことぶた (1976年)
- 11ぴきのねこ ふくろのなか (1982年)
- 11ぴきのねことへんなねこ (1989年)
- 11ぴきのねこ マラソン大会 (1992年、絵巻えほん)
- 11ぴきのねこ どろんこ (1996年)
なかでも、「11ぴきのねことあほうどり」は、1973年の文藝春秋漫画賞を、同じく馬場のぼるさんが描いた日本経済新聞夕刊掲載の連載漫画「バクさん」とともに受賞しています。
また、「11ぴきのねこ マラソン大会 」はボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞し、NHKeテレのてれび絵本で映像化されたりもしています。
11ぴきのねこのあらすじについて!
あるところにとらねこ大将と、ほか10匹、合わせて11匹ののらねこがいました。11ぴきはいつもお腹がすいていました。ある時見つけた一匹の魚を11等分していると、年取ったねこがやってきて、「おおきなさかなが食べたいか」と言い、山の向こうの広い湖にいる怪物みたいな魚の存在を教えてくれました。
11ぴきのねこは湖に出かけました。到着するとまず、イカダを作り、数日大きな魚を探しました。ある日突然大きな魚が飛び出し、11ぴきのねこは飛び掛かりましたが、まるで歯が立ちませんでした。おおきな魚がお日様の下で水から顔を出し、”ねんねこさっしゃれ”を歌ったりしているところに飛び掛かってもダメでした。
ある晩、大きな魚が島の上で寝ているのを見つけ、11ぴきのねこは取り囲んで「ねんねこさっしゃれ」を歌うといびきをかいて眠りました。そこへとびかかると、捕まえることができました
11ぴきのねこは「みんながこれを見たら驚くぞ」「早く帰って見せてやろう」と言い、「それまでは絶対に食べないこと!」と言うと、「さんせーい」として、みんなよだれが出てくるのを我慢しながらうしろを見ていました。次の晩、暗闇になり、夜が明けると…魚は骨だけ、11ぴきはみんなお腹が膨れていました、というお話。
感想は?
みんな裏切者じゃん。
魚が島の上で寝るの?
お魚食べちゃったね!
にゃんにゃん!
といった具合。8歳児は、全員がおあずけ!といったのに食べてしまった、というオチが、みんなで決めたのに裏切ったという、集団行動に慣れてきた子供ならではの視点だなあ…という感想です。かなりマイペースな我が子と思っていましたが、やはり、信頼とかそこを重要視するんですね。6歳児は、みんな食べちゃったことに驚きながらも、魚が島の上で寝ることとか、そういった生物の習性を知っているからこその疑問も湧いていたようです。4歳児は、魚を食べちゃったという、急転直下なオチにびっくりし、驚いていました。しかし本当にこの絵本が面白かったらしく、翌日もこの本をせがみ、その後も「食べてしまうよね!」と言いながら、何度もお話をきいています。2歳児はまだちょっと早かったらしく、猫や魚、クジラなどを見ていました。
私は…
オチのところとか変な説明がなくて爽快。これくらいバッサリと話をもっていってくれるのって、逆に新鮮かも。
と、思いました。
シンプルなお話だから、深読みするまでもなく単純に楽しめると思います。
対象年齢は?
こぐま社のホームページによると、年齢の目安は4歳から、とされています。
でも、我が家の息子は3歳頃でもお話が分かったようで、最後のオチには本当にびっくりしたというか、唖然としていました。
アニメもある?
1980年のものは、とらねこ大将をなんと郷ひろみが声を担当しているそうです。意外と合っているとか。でも現在手に入るDVDなどの作品はないそうです。
音楽劇もある?
絵本出版から2年後の1969年、なんと日本を代表する戯作者井上ひさし氏の脚本により人形劇が作られ、NHKで放送されたそうです。その後、1971年にはミュージカル化、1989年には決定版としてこまつ座で上演されています。井上ひさし版は漢数字と、ネコはカタカナで「十一ぴきのネコ」となっていますね。近年も上演したこともあるようなので、要チェックです。
また、小学校の学芸会用などの脚本や曲も出版されています。
グッズは?ナンバープレートもある?
グッズも数多くある11ぴきのねこ。
ポーチやぬいぐるみだけではなく、納豆まで!様々に展開されています。どれも可愛い!
そのなかでも驚きは、なんとナンバープレートがあるんです!
これは、作者馬場のぼるさんの故郷青森県三戸町の、原付自転車または小型特殊用のものです。
町外の人には手に入りにくいものと思いますが、三戸町の方がとてもうらやましいですね。ちなみに三戸町は、ホームページも11ぴきのねこ仕様で、とても可愛らしいデザインです。
11ぴきのねこまとめ
色褪せない魅力がつまった11ぴきのねこ。
無邪気ににっこりとした表情には、ほっこりしちゃいますね。子どもも大好きなので、親としては色々与えたくなっちゃいます(笑)。
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