こちらのページでは、「孤独のグルメ」原作で知られる久住昌之さんによる絵本で、第24回日本絵本賞を受賞した絵本「大根はエライ!」について紹介します。
大根はエライについて
大根はエライの内容は?
日本の料理のなかで様々な形で登場する大根。生産量が日本で最も多い野菜のひとつなのに、どの料理でも主張することなく、他の具の引き立て役。そんな奥ゆかしい大根の存在をクローズアップし、料理や栄養、ことわざなどいろんな角度から大根のすごさを語った一冊です。
「大根はエライ」
- 作・絵:久住昌之
- 出版社:福音館書店
- 発行:2018年
もともとは15年前の子供向け科学雑誌の記事だった?
2018年に書籍化された「大根はエライ」。しかし、もともとは子ども向け科学雑誌「たくさんのふしぎ」2003年9月号(福音館書店)で掲載されたものでした。15年たっても、内容が色あせていないということで、今回書籍化されたそう。
その作品が、先日の2019年3月には第24回日本絵本賞を受賞したのだから、いかに内容が変わらないものだったのかがわかりますね。
作者は「孤独のグルメ」原作の久住昌之さん!
久住昌之さんについて
久住昌之さんは1958年東京都生まれの漫画家、漫画原作者、エッセイスト。泉晴紀さんとともに泉昌之名義のコンビでマンガを描いたり、実弟の久住卓也さんとともにQ.B.B.名義で活動したりしています。
漫画の代表作に「中学生日記」、漫画の原作に「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」などがあります。また、ドラマ「孤独のグルメ」では「ふらっとQUSUMI」という実際にドラマで使われたお店で食事をするコーナーがあり、ニコニコとご飯を食べる原作者として、馴染みがある方も多いと思います。
孤独のグルメに共通する?食べ物への意識
「大根はエライ」が最初に描かれた2003年頃といえば、久住さんは「孤独のグルメ」の1期が1994~1996年の連載、2期が2008年~2015年の不定期連載なのでちょうどその間ですね。
久住さんご本人は、インタビューで「グルメな人と思われがちだが、ご馳走にはそんなに興味が無いし、おいしい店も知らない。ただ、人が頭の中でああだこうだ考えながらものを食べている有様が、なんだか滑稽で面白いのだ。」(引用:NEWSポストセブン『孤独のグルメ』原作者・久住昌之氏が選ぶ食べ物の本5冊)とおっしゃっています。
この作品もまた、大根の豆知識を披露している絵本なので、「孤独のグルメ」と同じようなひらめきで作られた作品なのかもしれません。
「大根はエライ」対象年齢と子どもに読み聞かせた反応は?
絵本には「小学中級から」とあります。
中身をみてみると、大根の豆知識として「大根役者」という言葉の説明や、大根の祖先の説明があったりするので、やっぱり小学中級からくらいからが理解できるころかもしれません。
ルビはふってはありますが、普通に漢字が入った文章で、子供向けというよりは、エッセイを読んでる風でもあります。
ちなみに、2,4,6,8歳のわが子に読んでみたみたところ…
…無言…。(おそらく難解な言葉を聞き取ろうと真剣)
(守口大根の紹介で)こんなにながーい大根ってあるの?すごい!
(大根の蜂蜜漬けをみて)こんなのあるの?おいしくなさそう…。
(擬人化している大根をみて)この絵へんなの~。
…てな反応でした。どの絵本にも言えるのですが、読むとその子なりに理解しようとするので、4歳児は見たことない長い守口大根がとても気になり、6歳児は味が想像できない蜂蜜大根、8歳児は久住さんの絵の擬人化した大根の表現におかしさを感じたようです。
大人の私も恥ずかしながら「千六本」という大根の切り方を初めて知り、勉強になりました…。
CD「大根はエライ」も発売中!
久住昌之さん本人とシンガーソングライターの加藤千晶さん、アコースティックユニットのQUSDAMAによって、この「大根はエライ」の楽曲が入ったアルバムも2018年2月に発売されました。
大根の他にも「豆腐」「納豆」「キャベツ」を取り上げた楽曲も同時収録されています。久住さんは歌、語り、ギター、ウクレレを担当。加藤千晶さんは、NHKEテレの「いないいないばあっ!」で様々な曲提供をされている方です。久住さんの幅広い才能が発揮されています。
大根はエライのまとめ
普段当たり前の存在すぎて見落とされがちな大根。子どもが読むと身近な大根の知らなかったことを学べて面白いですし、大人が読んでも改めて指摘されて気づくことをユーモラスに表現されていて、楽しめる一冊でした!
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