絵本そらいろのたねについて紹介します。
「そらいろのたね」とは
「そらいろのたね」とは中川李枝子・文と大村百合子・絵による絵本。1964年に子供雑誌「こどものとも」に掲載され、1967年に福音館書店から書籍化されました。
「そらいろのたね」
- 作:中川李枝子
- 絵:大村百合子
- 出版社:福音館書店
- 発行:1967年
あらすじは?
ある日、ゆうじは野原で模型の飛行機を飛ばしていました。するとキツネがやってきて、「その飛行機をちょうだい」と言いました。ゆうじがこれはぼくの宝物だもの、と断ると、「それじゃあ、ぼくの宝物と取り換えて」とキツネはそらいろのたねを一つ出しました。ゆうじは取り替えました。
ゆうじは家に帰って種を埋め、水をやりました。次の朝見ると、豆ぐらいのそらいろの家が出てきました。ゆうじは「おおきくなあれ、おおきくなあれ」とじょうろで水をやりました。
すると、そらいろの家は少しずつ大きくなっていきました。ヒヨコがやってきて、おや、すてき!と入りました。もっと大きくなり、ネコも入りました。どんどん大きくなり、ブタもきました。ゆうじも入り、たろうとはなこ、しげる、ひろし、くみこもきました。色んな動物もきました。
お城のように立派な家が出来上がりました。町中のこどもと森中の動物がやってきます。
キツネもやってきて、驚きました。「おーい、きつねくん。そらいろのたねかたうちがはえてきたんだよー。」とみんなが言うと、キツネは「ゆうじくん、ひこうきはかえすよ。だからこのうちもかえして」と言いました。そして怒鳴りました。「おーい、このうちはぼくのうちだからね。だまってはいらないでよー。みんなでていっておくれー」。
みんなが出ていくと、キツネは大いばりでドアのカギをかけ家じゅうの窓を締めました。するとそらいろのいえは急にどんどん大きくなっていき、「あ、たいへん!おひさまにぶつかる!」とゆうじが叫んだとき、家は揺れたかと思うと、崩れました。みんな頭を抱えてうつ伏せました。
目を開けると家はなく、目をまわしたキツネがのびていました。
…というお話。
【チョイ役】たろう、はなこ、しげる、ひろし、くみこ
対象年齢は?
絵本自体には、読んであげるなら4才から、自分で読むなら小学校初級向き、と書いてあります。
実際、わが子に読むと、5歳児はとても興味深く聞いていました。また、3歳児でもカンタンなお話なので何となくわかったようです。
感想は?
わが子に読んだところ、
キツネ欲張りだよね…。
キツネがいじわる。育てたのはゆうじなのに。
家が大きくなるところが怖かった。
家なくなっちゃったねえ
といった具合。
キツネがかえして!と言ってきたところから、5歳児以上は、真剣に理不尽さを感じていました。でも、とても楽しかったらしく、5歳児は初めて読んだ後、「もう一回読んで!」とすぐに2度目をせがんできました。7・9歳はキツネのずるさが印象的だったよう。
ちなみに私は…
キツネはずるいんだけど、全体的にほんわかしていてよかった。最後も家が消えてしまうので、丸く終われる…。取られておしまいではなくてよかった、と思うのは私が大人になるすぎたのかしら…
と思いました(笑)。
アニメもある?
実はこのお話、宮崎駿監督により、アニメ化されているんです!
1992年に日本テレビ40周年記念用に造られたテレビスポット用で、30秒×全3話のもの。音声はBGMだけで、サラリと見せてくれます。
絵も原作を忠実に再現していて、絵本のほんわかした雰囲気はそのままにやさしい気持ちで観ることができます。
作品は、「ジブリがいっぱいショートショート」というDVDで観ることができます。
「ぐりとぐら」が出てくる?
この「そらいろのたね」の作者である中川李枝子さん・大村百合子(結婚後は山脇百合子)さんは、実の姉妹のコンビ。「ぐりとぐら」の作者としても有名です。
実は「そらいろのたね」では、ぐりとぐらが登場するんです!
小さい画像しかありませんが…上の画像の左、シカの足元に歩いている二匹がぐりとぐらなんです!
私はお話を読むのに精いっぱいで、気づきませんでしたが、うちの5歳児はすぐに気づき、教えてくれました。こういう細工も、子どもはとても喜びますよね。
英語版もある?
英語に翻訳された「The Sky Blue Seed」も、日本で販売されています。CD付きで、日本語と英語を交互に読んでくれるそうです。
「The Sky Blue Seed」
- 作:中川李枝子
- 絵:大村百合子
- 出版社:ラボ教育センター
- 発行:2004年
まとめ
半世紀も前に出版された絵本ですが、現代の私が読んでも令和の子どもが読んでも、とても楽しめました。評判の絵本は色あせないなあ…と思いました!
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