今回紹介する「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」は、1937年にアメリカで誕生したお話です。1937年と言うと、昭和12年!そんな時期に誕生した絵本が、今現役で私たちを楽しませてくれます。
今回は、長年愛されるこの絵本について紹介します。
いたずらきかんしゃちゅうちゅうとは?
「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」は、アメリカのバージニア・リー・バートンが1937年に出版した絵本です。この絵本は長男のために向けて作られたそうで、出版から80年以上たった今も、多くの人に愛されています。日本では、村岡花子により、1961年に翻訳出版されました。様々な推薦図書にも指定されています。
- 全国学校図書館協議会選定「必読図書」
- 全国学校図書館協議会選定「基本図書」
- サンケイ児童出版文化賞推薦図書
- 厚生省中央児童福祉審議会推薦図書
「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」
- 作・絵:バージニア・リー・バートン
- 絵:むらおかはなこ
- 出版社:福音館書店
- 発行:1961年
あらすじは?
機関車のちゅうちゅうは、客車や貨車を引いて小さな町の小さな駅から大きな町の大きな駅を行き来していました。
ある日ちゅうちゅうは考えました。
もうあの重い客車なんか引くのはごめんだ。ひとりならもっとはやく走れるし、みんなの注目を集めることが出来る...
機関士たちのみていない間に一人で勝手に走り出しました。信号も踏切も無視して、「ちゅうちゅう、しゅっしゅっ!」と走っていくので町は大混乱。人々はちゅうちゅうのことを怒ってしまいます。
そのうち暗くなって道もわからず、石炭も水も少なくなり、もう何年も使っていない古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまいます。
機関士たちはちゅうちゅうを鎖でつなぎ、うちへ戻しました。ちゅうちゅうは「わたしは、もうにげだしたりしません。にげても、あまりおもしろいことはないんですもの。」と、今まで通り客車や貨車を引くことを約束したのでした。
…というお話。
「ちゅうちゅう」ってどういう意味?
「ちゅうちゅう」とは、英語圏で汽車の音を表した幼児言葉です。
日本語でいう「しゅっしゅっぽっぽ」ですね。EXILEなどによる「Choo Choo Train」もその意味を表しているのでしょう。
ちなみに原作のタイトルは「Choo Choo」です。「いたずらきかんしゃ」の部分は、邦訳の際に村岡花子さんがつけられたのでしょう。
感想は?
複数の評価サイトでは5点中4あたり。高評価ですが、なかにはあまり子どもが食いつかなかった、という意見もあります。白黒の絵の味わいや、乗り物が好きかどうか、という点は好みを大きく左右すると思います。
ちなみにうちの子の場合は…
なんか難しいことばが時々あった…。
森が怖いからこのページ飛ばしたい
面白い!また読んで!
…(立ち去る)…。
といった具合です。
8歳児は、聞きなれない蒸気機関車の装備などの名前が難しい、と言っていました。でも説明まではせずとも話はおおまかにわかったようです。
6歳児は、話の終盤、廃線のほうへ迷い込むところで、絵が怖いと言っていました。
4歳児は、乗り物好きなため、黙って集中して聞いていました。ストーリーも面白かったそうです。
2歳児はまだ早すぎたようで、一時聞くと、遊び始めました。
ちなみに私は当初…
白黒の粗い絵だな~。見にくくないかな?
話も長いわりに、「トーマス」とかに比べたらオチは弱いよな~。
とか思っていました(本当にすみません)。
でも翌日、4歳息子が8歳娘にまた読んでとせがみ、娘が読んであげているのを横で見ていると…
アラッ!
昨日は読んであげるのに精いっぱいで気づかなかったけど、画面の絵の流れがとってもいい!汽車の絵も迫力ある!
という点を発見しました。大人は読んでいると、文字を追うのに夢中で絵を疎かになりがちですが、子どもは読み聞かせていて絵を中心に見ているはずですよね。白黒画面を効果的に、汽車の荒々しさや躍動感が伝わってきます!
そういった視点で見ると、ページの流れがとても迫力あり、なるほどな~!と思いました。長年愛される理由がちょっとわかった気がします。
対象年齢は?
福音館書店のサイトでは、読んであげるなら4才から、自分で読むなら小学低学年から、とされています。
うちの子の感じでいくと、割と話も長いので、どうかな…と思ったのですが、乗り物好きな4歳男児は、気に入り、翌日も読んでとせがんできました。しかし、キラキラ好きの女児の反応は鈍かったです。
いたずらきかんしゃちゅうちゅうのまとめ!
今回の本は、白黒ながらも躍動感のある機関車がとても魅力でした!子どもたちも古さは感じなかったようです。できれば大人も読んでもらうことをオススメします(笑)。
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